スピカブログSpica Blog
くいずです
2010.09.08|靴の話
くいずです。
たなかはいったい何をしているのでしょう?
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
正解:中敷き(フルソック、全敷き)を作っています。
実はこの作業、たなかが大好きな作業です。
とは言っても、ただ中敷きを作るというわけではありません。
通常、紳士靴 とくにグッドイヤー製法の本格靴は下画像のような「半敷き(ハーフソック)」が一般的です。
でも、「少し甲がゆるい」とか「底が硬いからクッションを入れたい」とか思ったこと、ありませんか?
そんな時に、「既成で販売されているインソールをそのまま入れるなんて嫌」、そんな方いらっしゃいませんか?
良い靴であればある程、カッコよく履きたいですよね?
そう!
そんな時にこの方法で調整するのです!
とは言ってもなんのこっちゃ?ですよね。
要するに 「半敷きを全敷きにする」 のです!
もっと分かり難いですかね?
まぁ見てもらうのがいちばん早いですね。
出来上がりはこんな感じ。
新しく全敷きを作って、半敷きの下に敷くんです。
と、言葉にすると簡単なんですが、実はかなりの難易度です。
何故かというと、「型紙がない」から。
どうやって作るかというと、 「カン」 です!
と言うと、語弊があるかも…。
テレビなんかで職人さんが「勘だよ!」なんて言ってるところ、見たことあるでしょう?
でも、いわゆる「アテ勘」ではないですyo!
言い換えるなら 「経験則」 ですかね。
つまり、経験によるデータとでもいうか。
まぁいいや。
実際の作業をご覧ください。
靴のアウトラインを採る
こんな感じ
アウトラインから、中敷きのラインに加工する
ここが難しい!
もちろんアウトラインが正しく採れている、というのが大前提です。
どうやって加工するかというと、
アウトライン-コバの幅-アッパーの厚さ(表革、裏皮、芯材、ほか)-立体による誤差+(-)中敷き調整分=中敷き型
わかりますかね?
わかりにくいですね。
要するに難しいということです。
ここで重要になるのが「靴を作れる」ということなんですね。
素材の厚さや芯材の加減、立体の誤差、美しいラインなんかは実際に作れる人でないと、感覚がつかめないのでは?
でも、そんな難しさを超える喜び?があるのですよ(もしかしたらたなかだけ?)。
左から Corthay , JOHN LOBB PARIS , CROCKETT&JONES 各社を代表するスクエアトゥの木型の中敷き(全敷き)。
ちなみに想定される足のサイズはほぼ同じ(木型のサイズ表記は違います)。
各社の設計思想が見て取れて、非常に興味深いです。
3型とも履いてみた結果、個人的にはCorthayが好きです。
というか、フィッティングコンセプトが根本的に違うと感じます。
2社がマシンメイドで最上級のレディメイドを目指しているのに対し、Corthayのフィッティングは「ビスポークの履き心地を、如何にレディメイドで再現するか」といった感じ。
以前にCorthayの実際の工場の写真を見る機会があったのですが、釣り込みの工程がほとんど手作業。
なんでも「機械に慣れない」そうです(笑)。
宣伝料を頂いているわけではないですが、オススメです。
ただし、デザイン的に好みに合えば、ですが(笑)。
ちなみに、Corthayのレディメイドは表記サイズよりとってもタイトです。
通常の英国靴よりもハーフから1インチくらい上のサイズをオススメします。
※大きめの先芯が当たる可能性も考慮して
あれ?
何の話だっけ?
靴修理と靴磨き バッグクリーニング Spica
マッケイも大好き たなか
このブログ記事のコメント
現在コメントはありません。
コメントを投稿
※ 投稿されたコメントは管理者の承認後に表示されます。