スピカブログSpica Blog
美しい靴
2010.06.24|靴の話
一寸前なら憶えちゃいるが 一年前だとチト判らねェなあ
髪の長い女だって ここにゃ沢山いるからねェ
ワルイなぁ 他をあたってくれよ
・ ・ ・ アンタ あの娘の何なのさ!
〈港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ〉
ということで、最近はちょっと前のことも覚えていないメガネ、たなかです。
先日のこと、さいとうからこんな質問をされました。
「いちばんキレイなパターンって、どこですかねぇ?」
うーむ、難しい質問だ…。
ビスポークならばお客様の足に合わせて1点1点、時には片足ごとにパターンが違うしなぁ。
既成品で同じ木型でもシーズンによってバランスが変わることもあるしなぁ。
ということで、独断と偏見で決めました。
コチラ
JOHN LOBB PARIS [PHILIP] #8695 ジョンロブの名作、フィリップです。
それも現在の#7000ラストのフィリップ2ではなく、#8695ラストの「フィリップ」です。
もう10年以上前に廃番になってしまったモデルですが、やはりこのバランスの良さは秀逸です。
素材も当時の最高峰、ビスポークにも使われていた「サテンカーフ」です。
現在のミュージアムカーフと比べると、磨きを入れた後の存在感が比べ物にならないくらい美しい。
当時ここまでウエストを絞った既成靴は他になかったかと。
おっと、素材や作りの話は今回は関係なかった…。
この靴の登場で、紳士靴のレディメイドは一応の完成を見た気がします。
まぁEdwardGreenのCHELSEAを推す方もいらっしゃるとは思いますが、あくまで独断と偏見で…。
工業製品として考えた場合、もっとも美しい靴はコレかな、と。
ただ、もうひとつ別格が…。
コチラ
10年ほど前に手に入れた既成品。
ハンドソーンウェルテッドなので、工業製品かというと?なのですが…。
繊細さと力強さが美しく同居した1足。
ステッチも一見するとシングルなのに、よくよく近くで見れば精緻なダブルステッチ。
カンヌキのシャコ止めなんて、細か過ぎてよくわからない…。
フォルムやバランス、素材・作りも含めて完璧だと思える1足。
10年前に見てあまりに美しく、今見ても美しく、おそらく10年後も美しいと思える1足…。
どうですかね、小関さん?
靴修理と靴磨き バッグクリーニング Spica たなか
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