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たなか・すぺしゃる?
2010.02.23|靴の話
ごきげんかるぱっちょ、たなかです。
先日岩塩を口にして奥歯が欠けました。
と、そんなことはどうでもいいですよね。
先日友人とこんな話をしました。
「ハンドメイドの価値」についてです。
まぁ靴作りにおいてという前提であれば、ワタクシは『ハンドメイドそのものには価値はあまりない』と考えます。
例えば洋服においてはわざと不揃いに縫うミシンもあるし。
で、靴におけるハンドメイドというものは、『ビスポーク』という概念の中でこそ存在価値があるのかな、と。
『個々人の足を再現した靴型で靴を作る場合に、どうしてもハンドメイドでないと微妙な凹凸がとらえきれない』や『手作業でないと微妙な加減が効かない』というように、必然的にハンドメイドになってしまう場合がほとんどだろう、と。
言い換えるならば、ハンドメイドということはあくまで手段・方法であって、ハンドメイドそのものを目的としてもあまり意味を成さない、というか。
う~ん、上手く伝えるのが難しいですね。
伝わりましたでしょうか?
で、まぁそんな話をしたからか、しばらくハンドメイド・手作業ということについて考えておりました。
あるときふと考えたんです。
『手作業の意味がない事を、手でやってみよう』 と。
こんな言葉を思い出しました。
『ムダなものほど大切なんだ』
確か映画「ライフ・イズ・ビューティフル」の中の一節だったような…。
ということで、こんなのを作ってみました。
って、いつもSpicaの店頭で修理サンプルになってるヤツじゃねぇか‼
ん? でも何だかどこかが違うような…。
何だかコバがスゴイ(笑)‼
コイツに何をしたかと言うと…
『機械と手を効果的に使い分けながら、ハンドメイドの非現実的な美しさを現実的に再現する実験』
です。
解りにくい言い回しですね。
要するに
『修理でビスポークの雰囲気を出してみよう』
ってことです。
今回は実験ということで、左右で仕様を変えてみました。
まずは左足から。
左足はスクエア・ウエスト(平コバ)にストレート・ヒールです。
続いて右足。
右足は
ヴェヴェルドウエスト&フィドルバック&ピッチドヒール‼
です。
ヒールも左右でこれだけ雰囲気が変わります。
とはいえ、こちらのお修理は通常の修理店ではできません。
いったい何をしたのかというと…
オールソール交換、クローズドチャネル
リ・ウェルト(手縫いでのウェルト交換)
手縫いでの出し縫い&ウィール(目付)
※コバやヒールの仕上げはマシン
言うなれば、 『9分半仕立て』の修理。
既製品のマシンメイドのクロケット&ジョーンズが、これだけ美しい「ビスポーク面」になったのだから今回の実験は成功と言えるのではなかろうか。
うーん、どの角度から見ても美しい…(親バカ)。
ちなみにこの靴、相も変わらずSpicaに店頭サンプルとして飾っておりますのでご自由にご覧ください。
※あくまで実験です。商品(サービス)としては現在提供しておりませんのでご注意ください。 ご興味ある方はご相談ください。
靴修理と靴磨き Spica たなか
https://www.spica-inc.jp/case_study/ ←修繕事例も更新中☆
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