革靴は、長く大切に履き続けると新品の時には感じられない味わい深い風合いがあらわれます。でも、それは日頃の丁寧なメンテナンスがあってこそ。本記事では、自宅での革靴の基本のメンテナンス方法を紹介します。
準備するもの
様々なメーカーから販売されているメンテナンスグッズ。たくさんの種類があるので初見ではどの製品をどう使うかわからず、困ってしまうことも。まずは必要最低限のこちらの10アイテムを手に入れておくと良いでしょう。
・M.モゥブレイ プロ・ホースブラシ(ホコリ落とし・クリーム塗布・仕上げ用)
・M.ボゥブレイ ペネトレートブラシ2本(クリーム用とワックス塗布用)
・コロニル ポリッシュクロス(汚れ落とし用)
・M.モゥブレイ グローブクロス(仕上げ用)
・M.モゥブレイ ステインリムーバー(汚れ落とし)
・コロンブス Boot Blackシュークリーム(補色・栄養クリーム)
・コロンブス Boot Blackシューポリッシュ(鏡面磨き用ワックス)
・サフィール ビーズワックスポリッシュ(Boot Blackシューポリッシュよりも粒子が細かい鏡面磨き用ワックス)
・コロニル1909 シュプリームプロテクトスプレー(防水スプレー)
革靴メンテナンスの基本プロセス
1:お手入れの準備をする
靴紐を付けたままお手入れをすると靴紐にクリームが付着したり、革靴の細かい部分の汚れが落ちなかったりするので、外してから作業しましょう。
靴紐の穴にクリームが入り込むのを防ぐため靴の内側からマスキングテープを貼るのもオススメです。そしてシューキーパーを入れてからお手入れ開始。シューキーパーで形を整えた状態にしておくと、汚れが落としやすくクリームも浸透しやすいので、お手入れの仕上がりも格段に良くなります。
2:汚れを落とす
まずは靴についた汚れや古いクリームなどを落とします。靴の表面に付着したホコリや汚れを落とすと同時に、靴底やコバの汚れも一緒に落としましょう。馬毛ブラシで全体的にブラッシングを行った後、革の奥に染み込んだ古いクリームを落とすために、リムーバーを使って細かな汚れを落とします。
リムーバーで汚れを落とす作業をつい省略しがちですが、革に古いクリームが乗った状態で手入れするとクリームやワックスのノリが悪くなるだけでなく、靴自体も傷んでしまうので、必ず行うようにしましょう!
3:栄養クリームで保革・キズ隠し
動物の革で作られた革靴は、年月とともに油分がなくなり、乾燥します。これが傷みの原因にもなるので革にはしっかりと栄養を与えてあげましょう。またクリームを塗布することで軽度の傷や擦れも目立たなくなります。
ペネトレートブラシに少量の乳化性クリームを取り、
仕上げに鏡面磨き用のワックスを塗布。別のペネトレートブラシでワックスを全体に塗布します。最後にブラシに水を少し含ませ、ブラッシングをすると光沢が出てきます。
4:艶出し
仕上げはポリッシュ。つま先とかかとにツヤを出します。ツヤ出しのワックスは油性なので靴全体に塗ると、靴の通気性が悪くなったり、屈折部分の革が切れたりするので、つま先とかかとだけを光らせるのがオススメです。
はじめは多めのワックスをクロスにつけます。つま先・かかと全体に塗布したら、米粒大の水をつけてワックスの曇りを晴らすように磨きます。より美しい仕上がりにするために、最初につけたワックスより細かい粒子のワックスをつけ、同様の手順で磨き上げるとさらにピカピカにできます!
最後にグローブクロスでつま先・かかとを磨いて完成です。
5:防水スプレーをする
メンテナンスができた革靴がすぐに汚れてしまわないように、防水スプレーをかけましょう。靴本体から20cm以上離してスプレーを吹きかけます。
▼動画で見る靴磨き
本格的な磨きはSpicaで
今回ご紹介したメンテナンスは、革靴にとっていわば日頃のスキンケアルーティンのようなもの。もちろん、定期的なセルフケアで大きな汚れや痛み、経年劣化を防ぐことはできます。しかし、それはあくまでも最低限のお手入れ。
クリームの量は最適か、今の磨き方は靴を傷めていないか、など細かい部分にこだわればこだわるほど疑問は尽きることがありません。ぜひ、メンテナンスが楽しくなってきたら、一度プロのお手入れを体感してみてください。
取材・文 角 佑宇子
profile:スタイリスト・ライター。アパレル販売員の後、スタイリストアシスタントを経て独立。現在は女性向けWebメディアにて着こなしに関するコラムを配信。「より良いものをより良く活かす・身につける」をモットーに、世にある素敵なアイテムを日々、探求中。
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