素材選びにはじまり、デザイン、大きさ、カラーなど、決めなければいけないことがたくさんある革小物のセミオーダー。けれどSpicaでは、なるべくシンプルな選択肢を用意しているため、初心者でも迷わずに注文が可能です。
そんなSpicaで初めて革小物をオーダーするというユリさん。日頃から革製品を愛用するパートナーのタクヤさんに、サプライズで革小物を贈ります。
はたしてユリさんのオーダー体験は、どんな結末を迎えるのか。その過程を全4回にわけて追いかけます。
※連載第1回はこちら
いつだって「家族」を思い出してほしいから。カラーに込めた大きな愛情。
革製の名刺入れをセミオーダーすることに決めたユリさん。けれど、オーダーは初体験とのこと。Spicaの名刺入れは革の外側と内側、ポイントカラー、そしてステッチのカラーを選ぶという手軽なものです。それでも、その組み合わせはなんと1万通り以上も…!
そこでユリさんは、まずタクヤさんの好みを踏まえることにしました。
「外側の色はバーガンディにしました。これは元々、彼が大好きな色なんです。仲良くなったきっかけのフランス研修で作ったコインケースも、普段使っているカバンもバーガンディに近い色味のもので。理由を聞いたことはありませんが、彼はソムリエなので、バーガンディを見ていると赤ワインを思い浮かべるんじゃないかな、と。かわいい理由ですよね」
いつも使っている革製品の中に入っても浮かないように。トータルでのコーディネートも考慮した選択です。
そして、内側やステッチのカラーを決める際には、コンセプトを定めました。それは“家族”。
「内側の革にはオリーブを採用しました。ポケット部分のポイントカラーはコバルトブルー、ステッチはオレンジです。これは、家族それぞれのテーマカラーなんです。といっても、私が勝手に決めているだけなんですけどね(笑)。夫はオリーブ、私はオレンジ、子どもは名前の由来にもなっているブルーがそれぞれのテーマカラーで、なにか買うときはその色を意識することも多くて」
家族をコンセプトにした革製の名刺入れを使ってもらいたい。それは「どんなときでもつながっていたい」という想いの表れでもあるのでしょう。
「名刺入れなら仕事中も持ち歩きますし、取り出す機会も多いですよね。そのとき、私や子どものことを思い出してくれたらいいな、という願いも込めました」
初体験だったオーダーですが、意外にも戸惑うことはなかったそう。それはSpicaのオーダー画面が見やすさにこだわっていることも一因です。
「色を選択するととても綺麗なイメージ画像が出てくるので、色合いがはっきりわかりました。ステッチの細かな部分なんて拡大してチェックできたので、それも安心材料になりましたね。それと、選んだ色を実際に組み合わせた状態で見られるのもよかった。やっぱり頭の中でイメージするだけだと限界がありますから」
なにより、ママであるユリさんが最もうれしかったのは、他人の目を気にせずにじっくり選べたこと。
「小さい子がいると、お店でのお買い物ですら短時間で済ませなくちゃいけない、と焦ってしまうんです。だから、店頭でオーダーするなんて絶対に無理。でも、今回はネットでオーダー可能だったので、自宅で子どもをあやしながらのんびりと考えることができました。それは母親にとってはすごくありがたいポイントだと思います」
こうしてオーダーまで完了したタクヤさんへの贈り物。どんな仕上がりになるのか、ユリさんの胸中には期待と不安が入り混じっているようです。
取材・文 五十嵐 大
profile:ライター、エッセイスト。1983年、宮城県生まれ。2020年10月、『しくじり家族』(CCCメディアハウス)でデビュー。他の著書に『ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと』(幻冬社)がある。
twitter:@igarashidai0729