財布はお金の眠る場所。さらに、毎日手に取るものだからこそちょっとした傷や汚れが気になってしまいます。Spicaならその気になる傷や汚れを一掃し、鮮やかな仕上がりにしてくれること間違いなし。今回は、Spicaの修理事例・お財布編をスタイリストでもある筆者がご紹介します。
【クリーニング・染め直し】シャネルのタイムレスクラシックを鮮やかに蘇らせる
BEFORE / お直し前
こちらはCHANEL(シャネル)のタイムレスクラシック。文字通り、時代や流行りに影響されないシャネル永遠のアイコニックモデルの財布です。きれいに使えば親子三世代は受け継がれる代物。
しかし、発色の美しいイエローだけに、両端の擦れが目立ってしまいます。こちらの型はラムスキン(仔羊の革で柔らかいのが特徴的)を使用したタイプなので、微細な部分は使っているうちに擦れてしまいがち。
また、パッと見では気にはなりませんが、色が若干褪せています。まだまだキレイですが、この使用感をもとに戻すためにお客様は全体の染め直しをオーダーされたそうです。
AFTER / お直し後
作業前と比べてみると一目瞭然! 美しいカナリアイエローが蘇っています。ほぼ新品のような鮮やかさですね。
まず全体の気になる汚れをクリーニングしたあとに顔料をオリジナルに近い色に調色。そして染め直していきます。調色とは届いた品物をじっくり観察しながら、よりオリジナルに近い風合いになるよう顔料を調合する作業のことです。
今回のお財布のような発色の良い色みは特にほんの少しでも色が違うだけで修繕部分が浮き立ち目立ってしまいます。できる限り元の色に馴染むよう全体のバランスを見て調色を行なう作業こそプロの目利きなしには為せない工程です。
擦れていたエッジ部分もこの通り。
塗料が擦れてしまうと表面化した革が毛羽立ち、荒れてしまうのでまずはサンドペーパーで丁寧に革の状態を均一に整えました。その上で染め直しの工程に入っていきます。
Spicaの革小物の修理やクリーニングサービスは何よりもクオリティ重視。修理に届くお品はどれも思い入れの強いものばかりだからこそ、1日でも長く良い状態が保てるように時間をかけてリペア作業に臨んでいます。
<修理内容・料金>
メニュー:財布 クリーニング・染め直し
料金:12,500円(税別)
納期:2ヶ月
※修理料金はあくまで目安です。財布の状態によって料金の変動もございますので、まずはお問い合わせください。
【ファスナー交換】グッチのレザーウォレット、壊れたファスナーも見事に再生
BEFORE / お直し前
持ち主に愛用されていると分かる使用感のあるGUCCIのメンズ向けのロングレザーウォレット。パッと見る限り、お直しの必要性は特段感じません。
…ですが、中を開けるとファスナーが壊れているのが一目瞭然。これはもうファスナーをスライドさせても締まらないので、このままでは使えません。
ファスナーの端は破れてコイルが伸びています。もしかすると、ファスナーを強く引っ張ってしまったのかもしれません。ハイブランドの製品の多くは上質な素材を使用していますが、見た目の美しさも重視されるため中には強い負荷がかかると壊れやすいパーツもあります。
特にこちらの財布は、スライダーのトップがレザーなので、気づかない間にファスナーの開け閉めに負荷がかかっていた可能性もありそうです。
AFTER / お直し後
美しく蘇ったファスナー! 壊れたファスナーは元どおりにはならないなので、今回は、オリジナルで使用していた樹脂ファスナーに近いデザインのファスナーを新しく取り付けています。
端の部分も現状復帰。今回はより使いやすいよう、樹脂スライダーに変更しました。もともとのスライダーは繊細で華奢なデザインだったので、新たに取りつけたものも主張が強すぎないデザインを選び、全体のなじみをよくしています。
表革は美しいままだったので、また長く愛用いただけるはず。今回はファスナーのコイルが破損していたので、ファスナーとスライダーの交換でした。ファスナー自体が悪くなっていなければ、スライダーのみの交換も出来るそう。ぜひファスナーの調子が悪い・交換が必要か気になる方はスタッフに相談してみてください。
<修理内容・料金>
メニュー:財布 ファスナー交換
料金:10,400円(税別)
納期:1.5ヶ月
※修理料金はあくまで目安です。財布の状態によって料金の変動もございますので、まずはお問い合わせください。
大切に使うほどに幸せを運んでくれる
お財布はお金をしまう場所。やっぱり大切に使い続けていきたいものですよね。ですが壊れたからといってすぐに買い換えればいいというのも何だか、物やお金を大切にしていないようにも感じます。
お手持ちの財布が原状回復できそうな破損や傷みなら、ぜひお直しを検討してみてはいかがでしょうか?
取材・文 角 佑宇子
profile:スタイリスト・ライター。アパレル販売員の後、スタイリストアシスタントを経て独立。現在は女性向けWebメディアにて着こなしに関するコラムを配信。「より良いものをより良く活かす・身につける」をモットーに、世にある素敵なアイテムを日々、探求中。
Instagram: @sumi.1105